9 石の芸術

2007年10月下旬に広島・岡山に3泊で取材旅行に行きました。

その時の取材を元に描いた絵はたくさんありますが、今回はその中から一枚「帝釈峡」の事を取り上げます。

帝釈峡は中国自動車道で岡山県から広島県に入ってすぐの山の中にあります。広島北東部です。

目指す帝釈峡の雄橋(おんばし)まで観光馬車もありますがここはゆっくり風景を見ながら帝釈川沿いの道を歩きます。

帝釈川沿いの道(至・雄橋)

少し紅葉が始まっていました。このぐらいの「ほんのり紅葉」が絵に描きやすいと思っています。

見えて来た雄橋

歩くこと約20分。川の上に巨岩が見えてきました。

雄橋(おんばし)

石灰岩を川の水が侵食して出来た洞門が「雄橋」です。日本有数の大きさだそうですよ。

白く光る雄大な雄橋を見上げるようにして写真をたくさん撮りました。このスケールを絵にするにはいつもの小さなサイズでは無理です。30号ぐらいが良いなと思いました。

雄橋の巨岩

まさに「石の芸術」。自然の力は凄いです。こんな巨大な岩を何万年も掛けて水の力で貫くのですから。

帝釈峡の取材を終えて次の日は同じ広島県の北西部、もう少しで島根県と言う山奥にある「三段峡」を取材に訪れました。同じく中国自動車道「戸河内」インターで降ります。

当時私が好きだった大河ドラマ「毛利元就」のオープニングテーマ曲のバックに使われていた三段峡です。

ここは帝釈峡と違って結構な距離とアップダウンがあるハイキングコースです。

入り口から歩くこと2時間半。途中で雨になりました。合羽を用意していなかったので濡れましたがそれも旅の思い出です。

三段滝

三段滝は開けたところにありましたが如何せん天気が悪くて絵にはしにくかったです。が、大河ドラマに使われていた風景を実際に見ることが出来て良かったと思います。

更に歩くと渓谷は狭くなり徒歩では行けなくなります。この「猿飛」と呼ばれている場所からは観光渡船に乗ります。

ピンボケ写真ですみません

500円を払い猿飛渡船に乗ると樹木希林さん似の船頭さんが巧みにロープと棹を操って狭い渓谷の奥へとお客さんを運んでいきます。定員は14名だそうです。

船頭さんがちょっと樹木希林さんに似てる

砂利の小島のようなところに降ろされます。そこからは徒歩では見ることのできない「二段滝」を観ました。

徒歩では行けない「二段滝」

お天気は少し良くなりましたがヤッケはずぶ濡れのままでした。

良くも悪くもお天気には勝てませんね。

この時の取材の「帝釈峡(雄橋)」は翌2008年に制作、完成しました。

作品名『帝釈峡(雄橋)』

『帝釈峡(雄橋)』 F30号(910×727)油彩 キャンバス 2008年

日美展出展(優秀賞受賞) 関西平和美術展出展 青峰展出展他

※現地に観光に行かれる場合は最新の情報をお調べください。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次