前回のお話に続き2007年10月の岡山・広島の旅のうち岡山編になります。
岡山県平野部は「岡山城」(戦国好きの私にとって黒い城はカッコいい城なのです)を見学。やっぱり黒壁の城はカッコいい!黒壁なので別名「烏城(うじょう)」と呼ばれています。戦国大名、宇喜多氏の城です。
近年になって朝ドラ「カムカムエヴリバディ」でも岡山城沿いの旭川がロケ地になりました。桃太郎の像があった場所です。
お城は庭園もまた美しく、庭園内でお抹茶をいただきました。(確かゲージに鶴も飼われていた)
平野部でもう一か所「倉敷美観地区」も訪問し、大原美術館も見学しました。エルグレコの「受胎告知」の絵(日本に2枚しかない)に一緒に行ってた妻が感動してました。
あのモネの庭にあった睡蓮も株分けされて美術館入り口の池に咲いていました。
お土産は「むらすずめ」と言う和菓子です。美味しいです。
牛窓にも行きました。
穏やかな瀬戸内海の気候が地中海に似ているのか、山の斜面にぎっしり植えられているオリーブの木。海景とあいまってまるでエーゲ海のようです。(意識しているらしくエンタシスの円柱が作られていました)
山の斜面には牛窓を愛する画家さんのアトリエと巨大な据え付けのイーゼルがアトリエの前に「建って」いました。
あのイーゼルのサイズだと200号ぐらいの巨大な絵も描けそうです。いったいどんな画家さんが住んでいたんでしょう?
山を下りるとすぐに牛窓港があります。船着き場のお土産屋さんで名物「ままかり漬け」を買いました。ままかりとは魚の名前ですが酢漬けのままかりは隣からまま(ご飯)を借りるぐらい美味しいと言う意味です。
蚊に噛まれながら(噛むと言う表現は関西人ですね)スケッチしました。海だけど蚊がどこかから飛んできます。山が近いからでしょうね。ここには珍しい海沿いの三重塔があるお寺さんがありました。
空の雲間から差し込む斜光がまるで天使が降りてくるときの「ヤコブの階段」のようです。
ヨットの配列がとても良くて中央に大型、右に小型が並んでいます。ヨットの高い帆と神々しい空が絶妙のバランスで、この構図が気に入った私は同じ絵を何度か描いています。
何度描いても海面の鈍色は難しいです。
海景のご紹介は初めてでしたね。
タイトルは「光る海」です。
小さいサイズの「光る海」は売れてしまいましたが、このサイズの絵は今でも私の代表作となっています。(もちろん購入できます)
作品名 『光る海』
日美展出展・優秀賞受賞 関西平和美術展出展 5人展出展 シンワ美術展・特別審査員賞受賞 (旧作含む)
※現地に観光に行かれる場合は最新の情報をお調べください。
私は自分の絵がどのように評価されているかどうかを知るために絵画展に出品した会場に足を運び、自分の絵を見るお客さんの反応を「こっそり」観ます。
まず自分の絵の前で立ち止まる人の多さと時間です。私はその立ち止まる時間を「滞空時間」と呼んでいます。
もちろん滞空時間が長ければ長いほど良いです。
複数のお客さんが立ち止まっているときには「いち観客」を装ってお客さん同士の会話を聞きます。
高評価をいただいたお客さんには自分が絵の作者であることをネタバラシします。話が弾むと単純に楽しいです。
昨年10月のシンワ美術展で岡山の会場に足を運んだ際、係員の女性から「あなたの絵は来場者に一番人気がありましたよ」と告げられた時は嬉しかったなぁ。
万人に愛される絵を描き続けたいと願っています。
私が懇意にしてもらっていた画家さんが昨年亡くなられました。
その先生の回顧展「本松進一回顧展」(大阪・阿倍野ハルカス)に22日に行ってきました。
ご家族にもお会いできて故人を懐かしむことが出来ました。
本松先生、ありがとうございました。
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