70 輝きの海

『微風景シリーズ』が終って通常の旅&絵ブログかと思いきや、今回は絵だけのブログになりました。

絵のタイトルは『佐田岬灯台』。

以前『微風景シリーズ』で紹介しました「佐田岬」と言う名のブログ(バックナンバー#)と内容はほぼ同じなのです。絵だけが変わりました。

なので旅紹介部分は割愛しました。

今回は制作過程の紹介です。

油彩画は作家さんそれぞれが色んなアプローチをしながら作品を仕上げていきます。

もちろん私も時と場合によってはアプローチ(制作の手順)を変えることもあります。

今回はスタンダードな手法です。

ちなみにこの風景は愛媛県の佐田岬灯台から見た豊後水道なので遠くに見える陸地は大分県です。。

なのでこれは夕日の風景なのです。

今回は海をワイドに描きたいと思い、サイズを横長の縦横比のM8号サイズのキャンバスにしました。

M8号のMはマリーン(海)と言う意味で、海景をワイドに描くことに適しています。

もちろん海景限定ではありませんがあくまでも適していると言うことです。

全体の印影だけを描く

下地にジェッソ(石膏)を何度か塗って、乾いてから研磨。

グリッド線(あたり)を書いてから下書きをします。

その上から(今回は)イエローオーカー(黄土色)をペトロール(揮発油)で薄く溶いたものでざっと陰影をつけます。

これは後で描く油絵具の画面への定着を良くするためでもあります。

本格的に絵を描くための下準備は以上です。

揮発油なので割と早めに乾燥します。

上半分を描く(一回目)

ここからは溶き油で絵具を伸ばして描きます。

私は乾燥を早めるためクイックドライペインティングオイルを使っています。

さて、油絵具は乾燥が遅いのですが特に秋冬の低温期には時間が掛かります。

ドライオンウエット(乾いたキャンバスに油絵の具を乗せる)なので上下に分割して描きます。

初回は水平線より上、つまり『空』を描いて、次の日には水平線より下、つまり海を描く、という風に交互に描きます。

下半分も描く

空を「ざっくり」塗ったら翌日は海をこれまた「ざっくり」塗ります。その間に空が乾きます。

空がべったりと濡れているのがお分かりいただけるでしょうか?

上下2回ずつぐらい塗り終わった

そうして水平線を上下に分けてそれぞれ二度目ぐらい描き終わった時点です。

細かい部分まで進んでいますが、陸地がまだ手付かずです。

陸地と灯台を加筆・全体を修正

このぐらいまでくれば空や海も小修正しつつ陸地を描く余裕が出来ます。

一回の塗りはだいたい2時間から3時間掛けます。

集中力が途切れたら碌な絵にならないのでそこでお終いにして翌日に回します。

そうして7回ほど描いて完成しました。

少し注釈を付け加えます。

①上記の今までの写真は赤味が強いので最終的に実物に近いように色補正しています。

なので下記の写真が実物の色です。

(赤味が抑えられています)

②それとM8号なので横長のため上記の制作過程ではリサイズしていません。

そのため若干左右が見切れています。

もちろん下記画像はその辺を調整していますので完全な「全画面表示」です。

完成!

作品名 『佐田岬灯台』

2023年制作 M8号(455×273) キャンバス 油彩画

空の色、雲の描写、海面の輝き・・・手間が掛かった分良い仕上がりになったと思っています。

今回の「ギャラリー美風景」でのリニューアル販売には間に合いませんでしたが、お問い合わせいただければ価格交渉させていただきます。

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