2011年10月。
大分県への取材旅行の時のお話です。
この頃の一人旅は車中泊が多かったのですが、旅費云々より単に車中泊にハマっていたからなのです。
時間に縛られない自由に行動出来ることが魅力だったのです。
絵を描く時は早朝だったり日没前だったり、また何か所も周るので車移動は便利だったりします。
まあ、今はあまりしません。年齢や体力の問題です(汗)
初日は阿蘇へ移動して道の駅で一泊しました。
阿蘇も別機会に妻と温泉旅行に行っていますが、途中の「やまなみハイウェイ」は何度走っても気持ちの良い道のです。
大分県に入ると九重山が続いていて少しガスっぽいものの上からの景色は抜群です。
大分湾の別府に向かっての途中に「由布川渓谷」があります。由布院の由布ですね。由布院もすぐそこなので観光しましたが割愛します。
由布川渓谷は大分百景に入るそうなのですが観光地としてはマイナーです。
山中を走るも道が分かりづらく、途中細いところもあります。
駐車場は2011年当時は無料でしたが現在は協力金名目で100円必要だそうです。
多分(←また出ました!)猿渡と言うところから渓谷に降りていたのでしょうけど現在は閉鎖され別の降り口に変わっているらしいので行かれる際は改めて調べてから行ってみてください。
エノハって看板にあるので何だろう?と思って調べてみましたが九州の一部での「ヤマメ」「イワナ」などの渓流魚の事だそうです。
急な階段を降りなければなりません。足元注意です。
夏場は空気で膨らませるタイプのカヌーを使うツアーがあるようで賑わうらしいですが私が行った10月には先客が一人しかいませんでした。
その人はカメラが趣味のようでした。
私と同じく由布川渓谷の「あること」が目的で来られていました。
その「あること」とは。
深い渓谷で両脇の崖の間が狭いため、渓流には正午前後の少しの間しか光が差しません。
湿気が多いのでそれが「光芒」となって差し込む様は神々しいぐらいの美しさです。
11時頃到着したのですがまだ光芒は見えません。私とカメラマンさんは冷たい川に立ちこんでその時を待ちます。
徐々に光が差し込み始めます。
今まで暗くて見えづらかったものまで見えてきます。
苔の岩は舞台スターのようにスポットライトを浴びています。
渓谷の美しさも見えてきました。
そして決定的な「由布川渓谷の光芒」が現れます。
レースのカーテンのような美しい光芒は正午に始まり半を過ぎると消えてしまいます。ほんの45分ほどの美しさです。
こんな素敵な場所に二人しか観光客がいないなんてもったいない反面、荒れてなくて撮影には良いのですよね。
人がわちゃわちゃいたらこんな静寂に包まれた風景は撮影出来ませんでしたし。やっぱり来るなら夏以外かな?
秘境と言ったら大袈裟ですがそんな静かな趣が好きです。
この風景を大きなキャンバスに描きます。
作品名 『光芒(由布川渓谷)』
2012年制作 F30号(910×727) 油彩 キャンバス
日美展審査員奨励賞受賞 関西平和美術展出展
光の筋はマスキングテープを貼ってから指で絵具を塗っています。
天空からの光芒を上手く表現出来ているでしょうか?
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来週、また大分に絵の取材に行きます。楽しみです♪
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